相続対策は相続税対策だけではないですよ

岐阜県可児市の税理士、西村賀彦です。

相続対策と聞いて、まず思い浮かべるのが、「相続税」という方が多いのではないかと感じています。しかし、「相続税」と思われた方は、おそらく次の瞬間に「だから、ウチには関係ない」と考える方も多いかもしれません。相続税の課税対象となる方は、100人中5人とされているからです(平成26年までの改正前のイメージです)。

ところが、相続対策で問題となるのは、相続税だけではありません。相続財産を誰が相続するかを相続人間で揉めるといういわゆる「争族(親族間での争い)」の方が深刻かつ解決にかかるお金も多額になることも多いです。この、争族問題が起こらないようにするために一番良い方法は、親がお亡くなりになる前に話し合っておき、できれば遺言書まで書いていただくことです。やはり、その財産を形成されたご本人を交えて話し合っておくことが一番ですよね。

しかし、子供世代から親世代に相続の話を持ちかけるのは、言い出しにくいものです。私のお客様の例を申し上げますと、親の誕生日や結婚記念日などの家族で集まったときなどに人生の記念日についてお祝いするとともに、今後の生活の希望や健康面で不安なことはないかということから話し始めたところ、親の方から相続について話があったとのことです。確かに、「相続のこと考えてる?」といきなり聞くのでは、親も警戒してしまいます。相続準備を始めることには抵抗があっても、実際に準備を始めて後悔をしたという話は聞いたことがありません。やはり、「家族どうしの思いやり」という当たり前のことが当たり前に大切なのだと実感いたします。

(当事務所発行のCLOVER通信2014年8月号より)


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